高殿アカリのゆるゆるブログ

映画、漫画、小説など心に刺さったものについて、ゆるゆると書いていくブログ。ときに、ちょっとしたエッセイ風味も。

季節を、空気を、食べること。【eri 東京個展6】


こんにちは。
高殿アカリ(@akari_takadono)です。

 

今日は、本日より開催されているeri(@silent_letter_)さんの東京個展6『肖像 -私の中の森-』へ行ってきました。

 

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初めての個展参戦にどきどきわくわくしながら、代官山の街を歩いた。
坂道を上り、お洒落でけれども親しみやすい店の前を幾つか通り過ぎると、小さく会場の案内が見えてくる。

 

誰かのマンションに訪れるような気持ちで階段を上っていくと、紳士な二人のおじさまに挨拶をされる。
知っているような、知らないような、そんな不思議な感覚は、既にeriさんの世界に入っていたのかもしれない。

 

来訪者を労う言葉と共に、私は個展の扉の前に立っていた。
恐る恐る扉を開けると、そこには季節がそのまんまの顔をして待っていた。

 

穏やかなBGMと橙色の照明。
何やら椅子に座っている人、立っている人、絵を見ている人。

 

懐かしい思いと同時に、真新しい本のページを開くような感覚が頭をもたげる。
そして、私は温かい挨拶に迎え入れられた。

 

それから、まるでそうすることが決まっていたみたいに、私は目の前にある一枚の肖像へと足を進めた。
そこから順に、冬があって、男の子が居て、春が来て、夏、夏、澄んだ冬、それから大きな大きな秋があった。

 

その瞬間、私は季節を、空気を、食べていた。
一つ一つの絵の前に立つと、私はその季節の風を感じた。

 

まるで濃厚な一年が過ぎていったかのようだった。

 

彼等の空気を存分に楽しんだ後、椅子に座り、用意されていた感想用の紙に私は思いをしたためた。

 

“言葉では伝えきれない『何か』を”、そいつが私の中にやって来る。

鼻から、口から、一呼吸のその隙間から。

 

だから、決して呑み込まれてしまわないように、溺れないように、私は必死に言葉を探した。
感じた思いを拙い言葉で表現したのは、その為だったようにも思える。

 

そいつは、強烈に私の中を浸食し、私はついに私たちになったのだ。
誰かの、何かの、感情や季節や場面を乗せた“そいつ”。

 

それは、私であり、あなたでもある。
色んなものが混じり合い、溶け合い、私たちはそこにいた。

 

それから、一緒に季節を食べた。
空気を啄み、泣き暮らした幾つもの夜を思い返した。
時には、甘くて美しいあの日々を。

 

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という、日記のようなレポートを書いたところで少し具体的な話をしたいなぁ、と。
(ブログって、好きなように文体もレイアウトも自分勝手に出来るから、素敵ね)

 

実は、今回から原画の購入は抽選になるとのこと。
これに関しては、きっと色んなことが言われたり、思われたり、するのかな、ということで私の意見も少し。

 

「抽選」というと、何だか当たりはずれのあるようなイメージがついてくる気がするけど。
実際のところ、「お見合い」ってことなんだと思うの。

 

素敵なレディたちが数人居て、私たち購入者は鼻息荒い男たちってわけ。
その内、自分の気に入った女の子に(もちろん、たった一人だけ)交際を申し込むんだけど。
結婚を前提でね。

 

でも、女の子たちは皆それはそれは素敵な子達なわけだから、既にあるいはこれから色んな人たちから交際を申し込まれるのよ。
だから、彼女たちは選ばなくちゃいけない。

 

どの人も素敵だけど。
どの人も幸せにしてもらえるんだけど。

 

困った女の子たちは神様に祈る。
そして、神様がダイスを転がし決めた、ラッキーな誰かのもとへ嫁ぐことになるのよ。

 

そう考えたら、とっっってもロマンチックだし、「抽選」という制度も何だかわくわくしてくるのよね。

 

とはいえ、今回は金銭的問題により私は抽選自体を辞退したんだけども。
来年こそは!! きちんと、結婚指輪を持っていくから待っててね!!!!

 

今日は、eriさん本人とも少しだけお話させてもらいました。
とても、優しい方で目を真っ直ぐ見てお話してくださるから、私は終始照れっぱなしだった。

 

握手もさせていただいたんですが、緊張しすぎて手の感触をあんまり覚えられていないのが、死ぬほど悔しい!!!
サインください、とか、ブログ書いても大丈夫ですか、とか色々我儘を言ったのにも関わらず、笑顔で了承していただきました。

 

本当に優しい、素敵な方だったのですよ。

 

eriさんの作品を知り、好きになってから、約3年半。
あの日、ふらりと神戸のライン館に足を踏み入れていなかったら、私は今回の個展の存在さえ知らないまま、日々を過ごしていたのかもしれない。

 

空気や季節を食べることも知らずに、私は生きていたのかもしれない。

 

人生において、何が起こるのか、何を感じることが出来るのか。
それは、ほんの些細なタイミングや気分で決まるのかもしれない。

 

だから、もし。
これを読んだあなたが、少しでもこの個展やeriさんに興味を持ったのなら。
ひっそり、Twitterを開くのもいいかもしれませんね。

 

また、今年の個展は19日(火)まで開催されているそうなので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 


以下、個展の概要です。

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eri 東京個展6 『肖像 -私の中の森-』

 

期間:2017年12月16日(土)~19日(火)
時間:12:00~20:00(最終日は18時まで)
場所:A.S ANTIQUES GALLERY
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-31-15 2F (1Fセブンイレブン

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それではまた、どこかで。